最近では、AIを使った就活支援ツールが注目されている。
その中でも、ChatGPTは大規模な自然言語処理モデルの1つで、言語理解、生成、翻訳、要約、会話などのタスクを実行できるものとして、就活生の間で活用されている。
ChatGPTを使うことで、自己分析や適性検査のサポート、業界リサーチや分析、エントリーシート作成、面接対策などの就活のさまざまな場面で活用できるからだ。
ChatGPTは、これまで法律相談などで受けた120万件以上のデータを学習しており、自然な日本語での応答が可能になっている。
就活生は、ChatGPTを活用することで、自己アピールポイントの洗練や選考に役立つ情報収集など、効率的な就活を支援することができるとされているのだ。
ChatGPTとは?
ChatGPTは、OpenAI社によって開発された自然言語処理モデルの1つであり、大規模な学習データをもとにトレーニングされた言語モデルである。
文章の生成、応答、要約、翻訳などのタスクを実行できることで注目された。
また、ChatGPTは、誰でも無料で利用できるオンラインサービスとして提供されており、WebサイトやLINEボットとしても活用されている。
ChatGPTを利用するには、公式サイトにアクセスし、アカウント登録を行う必要がある。
無料版ではGPT-3.5と呼ばれるモデルが利用でき、有料版のChatGPT PLusへ加入するとGPT-4が利用できる。
ChatGPTの特徴や利点について
ChatGPT(チャットGPT)は、自然言語処理の技術の一種で、大量のテキストデータを学習することで自然な文章を生成することができるAI技術。
以下は、ChatGPTの特徴や利点についての解説をしていこう。
ChatGPTは、大量のデータを学習することで、人間が書いたような自然な文章を生成できる。
一度学習した内容を忘れないため、以前のやり取りを踏まえた返答ができることがある。これにより、自然な会話を行うことができるのだ。
さらに、ChatGPTは、簡単にインストールして使用できるため、ビジネスにおいても活用が進んでいるそうだ。
例えば、チャットボットとして、ユーザーからの問い合わせやサポート業務に利用されることが多く、人的コストの削減につながっている。
また、ChatGPTは、会話を通じてユーザーのニーズを把握し、それに合わせた商品やサービスを提供することができる。そのため、マーケティングにおいても活用が期待されているとのこと。
就活生はChatGPTをどのように活用しているのか
AIの活用がますます進み、就職活動においてもChatGPTを活用する学生が増えている。
自己分析や適性検査のサポートとしての活用
就活では自己PRを上手に行い、適切な企業を見つけ、内定を獲得するというのが流れだ。
しかし、自己PRを作成するのは簡単ではない。自分自身をアピールし、相手に伝えるという能力は就活だけではなく、あらゆる場面で重要なことだ。
そこで、ChatGPTを活用して就活を有利にできる。
ChatGPTを使い自己PRを書かせてみよう。自分自身のアピールポイントを客観的に見ることができ、改善点を見つけることができる。
また、ChatGPTは自己PRを適切に構成するためのヒントやアピールも提供してくれる。
ChatGPTを使った自己PRの書き方は
ChatGPTを使って自己PRを作成する場合、ChatGPTに「就活の自己PRをしてください」と入力すると、即座に自己PRを生成してくれる。
生成された自己PRを見て、自分に合うようChatGPTに「こうしてほしい」「こんな経験を入れてほしい」などの入力を繰り返し、修正を重ねることで、より自分に合った自己PRを作成することができるだろう。
コツとしては、自分自身のアピールポイントを的確に伝えることが重要だ。ターゲット企業にあわせたアピールポイントを重視し、自分自身をアピールするようにしよう。
ChatGPTを使った方法は、あくまで一つの手段であり、すべてを任せることはできない。自己PRを書く際は、自分自身のアイデアや意見を取り入れながら、ChatGPTを使ってサポートすることが重要になる。
作成した自己PRを添削・要約してもらう
ChatGPTに自己PRを添削してもらうこともできる。
「以下の文章を添削してください」という指示の後に自己PRを記載するとChatGPTが添削してくれる。
修正された自己PRと修正内容を回答してくれるので、非常に助かるはずだ。
要約も可能で、「以下の文章を200字程度に要約してください」のあとに要約したい文章を記載する。
ただし、上手く要約してくれないこともあるので、そこは何度か指示を繰り返してみよう。
業界リサーチや分析のサポートとしての活用
ChatGPTを使って、職場や業界に関する情報を調べることも可能だ。業界の動向や求められるスキルなど、就活に役立つ情報を得られる。
具体的なリサーチ方法は以下の手順で行う。
・調べたい職種や業界に対する質問を考える
・ChatGPTに質問を投げかけ、情報を得る。
・得られた情報をもとに自分に適した職種や業界を見つける。
ChatGPTを使って、リサーチを行うことで、自分に適した職種や業界を見つけられるだろう。
また、企業の志望動機を考えるときに「同業他社と比べてなぜ貴社なのか」と答えるのはなかなか難しい。
トヨタではなくなぜホンダなのか、キリンではなくなぜアサヒなのか。その根拠を探すためにChatGPTに聞いてみてもいいだろう。
例としては「〇〇と〇〇のそれぞれの強みと課題を教えて」という質問をするとChatGPTが強みと課題を教えてくれる。
ただし、ChatGPTの回答が正しいとは限らないので、回答内容のウラをとるために調査を進めること。
この調査がまさに業界研究・企業研究と呼べるものだろう。企業に対する新しい視点を得ることができるはずだ。
エントリーシート作成のサポートとしての活用
ChatGPTを使えばエントリーシート作成に役立つアドバイスや表現について提案を得られる。
以下の様な手順で行おう。
・自己PRや志望動機など、エントリーシートに記載する内容を考える
・ChatGPTに質問を投げかけ、適切な表現やアドバイスを得る。
・得られた情報をもとにエントリーシートを作成する。
面接対策のサポートとしての活用
1人で面接の練習は難しい。ChatGPTを使い何度もイメージトレーニングをすることで本来の力を発揮しやすくなるだろう。
まずはChatGPTに想定される質問を作ってもらう。
ChatGPTに「あなたは〇〇の人事です。あなたが企業に求める学生か判断に必要な質問と意図を10個作成してください。」というプロンプトで質問する。
※〇〇の部分は企業名を入れる。
次に想定される質問に対して、回答を作成してもらおう。
「あなたは就職活動中の大学生です。以下の3つの条件に沿って回答してください。質問に対する回答をあなたの特徴をもとに回答してください。
[条件1:質問]
ChatGPTが作成した質問を入力
[条件2:あなたの特徴]
・自分の長所を入力
・学生時代、特に力を入れたことを入力
・失敗した経験を入力
[条件3:回答の仕方]
“・企業の求める人物像や社風と自分の強みを満たせること”
“・PREP法で作成する”
“・学生らしい口調で作成すること”」
質問と回答ができたら、ChatGPTでロールプレイをしてみよう。
「あなたは〇〇の面接官です。これからあなたは私に質問をして、採用するか判断してください
#面接のルール
・面接先の企業に沿って質問してください
・質問回数は最大10回
・質問は1回につきひとつまで。
・最後の質問の回答後に合否を判断してください」
ただ、ChatGPTでの練習には限界がある。
質問に対するイメージができたら、友人や知人に協力してもらい対人で練習しよう。
ChatGPTを利用するうえでの注意点
必ずファクトチェックをすること
ChatGPTは性質上、間違った回答をする可能性がある。なので、必ず内容が間違っていないかファクトチェックをするようにしよう。
ChatGPTを利用している以上、内容に間違いがあれば、責任を取るのは利用者である本人にあるからだ。
機密事項は入力しない
プライバシーを守るためにChatGPTには個人情報や機密情報は入力しないようにしよう。
ChatGPTを使った就活支援サービスが登場
株式会社キャリアエッセンスは、ChatGPTを就職活動に特化してカスタマイズし、就職活動を支援するAIサービス「就活秘書」のベータ版を2023年4月12日にリリースした。
学生は、エントリーシートの主な項目を登録することでChatGPTを活用しているAI面接官が内容に合わせて質問を行い、より深い模擬面接を体験できるそうだ。特定の業界の面接練習も準備中とのこと。
24時間365日いつでもどこでも相談できる体制になっているので、就活についていつでも困ったことをサポートしてくれる。
ベータ版はすべてのサービスを無料で利用できるので、一度試してみるといいだろう。
まとめ
ChatGPTを利用して就活に活用できることが分かったと思う。
とはいえ、ChatGPTに自己PRの文案を作ってもらい、そのまま使うのは厳しい。まず、文章の内容が薄っぺらいはずだ。
プロンプトを工夫すればかなり良くなるが、そこまで到達するのは時間がかかるだろう。あくまで補助ツールとして利用しよう。
文章の添削や要約は、他のツールもあるがChatGPTでも活用できそうだ。
面接時に想定した質問や回答を列挙してもらうのは、面接対策としても有効だろう。
今後はChatGPTに限らず、AIを使った就活が当たり前になってくるはずだ。ぜひ活用してほしい。